オウンドメディアとは?言葉の意味・作る目的・作り方を簡単に紹介
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専業WEBライターのtomomiです。WEBライターは、ネット上に掲載されるメディア(WEBサイト)の記事を書くのが仕事です。
ネット上にはあらゆるメディアが存在しますが、なかでもマーケティング業界において注目を集めているのが『オウンドメディア』です。
この『オウンドメディア』という言葉、「聞いたことはある」という方も、以下のような疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?
- オウンドメディアって何のこと?
- どんなサイトのことをオウンドメディアって呼ぶの?
- オウンドメディアの目的は?
- オウンドメディアはどうやって作るの?
WEBライターの仕事を続けていくなかで、オウンドメディアの記事の執筆を依頼されることもあります。
そこで今回は、WEBライターも知っておきたい『オウンドメディア』の意味や目的について、分かりやすく解説します。
それぞれのメディアに適した記事を書けるようにするためにも、意味や目的をしっかり理解しておきましょう。
1.オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは、自社でオリジナルの情報を発信し、運営を行うメディア(WEBサイト)のことです。
自社の収益につなげるためのマーケティング手法として、オウンドメディアを運営する企業が増えてきています。
オウンドメディア言葉の意味
「オウンドメディア(owned media)」のオウンド(owned)という言葉には、「所有する」という意味があります。
メディア(media)は「手段・媒体・情報媒体」を意味する言葉。
つまり、オウンドメディアは所有する媒体(メディア)のことを指しています。
ネット上のWEBサイトやブログだけでなく、自社発行の広報誌やパンフレット・ダイレクトメールなども含め、 消費者に向けて発信する媒体を意味しています。
オウンドメディアの関連用語
オウンドメディアと最も関連の深い用語が、「ペイドメディア」と「アーンドメディア」です。
ペイドメディア・アーンドメディアは、企業マーケティングにおいて、オウンドメディアを含めて『トリプルメディア』と呼ばれています。
企業が消費者に情報を伝えるために利用する3つのメディアを指しています。
トリプルメディア
オウンドメディアは、企業が自社で所有するメディアです。
【WEBサイト・カタログ・パンフレット・ダイレクトメールなど 】
情報やコンテンツなどを自社ですべて管理できるのが特徴。長期的に消費者(見込み顧客)との関係を構築することを目的としています。
ペイド(paid)は「支払う・有料」を意味する言葉。 ペイドメディアとは、有料の広告を掲載するメディアのことを指しています。
【 新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・リスティング広告など 】
自社のサービスや商品をまだ認知していない消費者(潜在顧客)を獲得することを目的としています。
アーンド(earned)は「稼いだ・獲得した」を意味する言葉。アーンドメディアとは、消費者が情報の発信元となり、信頼や評判を獲得するメディアのことを指しています。
【 Facebook・Twitter・YouTube・ブログなど】
コストをかけずに、口コミで多数のユーザーに拡散することを目的としています。
このように、3つのメディアにはそれぞれに特徴があり、それぞれ違った目的があります。
トリプルメディアを組み合わせて上手く活用することで、幅広いユーザー層を効率的に集客することができます。
オウンドメディアとキュレーションサイトの違い
ここ数年、WEB業界で増加傾向にあるキュレーションサイト(メディア)。オウンドメディアとは、どのような違いがあるのでしょうか?
キュレーションサイトとは、ネット上にある情報を取捨選択し、ある特定のテーマに沿って情報をまとめたサイト(まとめサイト)です。
オウンドメディアは、自社が情報の発信元であるのに対し、すでにネット上にある情報を集めて共有するのが、キュレーションサイトです。
また、それぞれの目的にも以下のように違いがあります。
- オウンドメディア・・・ 集客・ブランディング・企業の利益向上
- キュレーションサイト・・・ユーザーの流入・成功報酬・広告収入
ユーザーに役立つ情報を提供するという点では同じですが、「情報の発信元・ メディアの目的」には大きな違いがあります。
※キュレーションについて詳しくはコチラ!
オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違い
WEB上で行われるマーケティング手法として、「オウンドメディア」と同じく「コンテンツマーケティング」という用語も頻繁に出てきます。
続いては、オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違いについて見てみましょう。
コンテンツとは「情報の中身」を意味する言葉。コンテンツマーケティングとは、「情報の提供によってマーケティングを行う手法」のことを指しています。
ユーザーにとって価値のある情報を提供し続けることで、見込み顧客を獲得し、最終的な収益へ結びつけることを目的としています。
冒頭でご紹介したように、オウンドメディアは「自社が所有する媒体(メディア) 」を表しています。
一方、コンテンツマーケティングは「マーケティング手法」。つまり「媒体」と「手法」との違いです。
コンテンツマーケティングという言葉は、情報の提供を行うさまざまな媒体(メディア)を含めます。
ですから、オウンドメディアもコンテンツマーケティングの一部ということになります。
2.オウンドメディアを作る目的と事例
複数の目的を持ってオウンドメディアを作る企業もあるようですが、どの企業にも主となる目的があります。
オウンドメディアを運営する主な目的、また実際に運営しているオウンドメディアの成功事例を見てみましょう。
オウンドメディアの目的
オウンドメディアは、長期的に消費者との関係を構築し、最終的に企業の利益につなげることが目的です。
役立つコンテンツを提供して接点を作り、 潜在顧客に自社の商品やサービスを認知してもらう。
自社の商品やサービスを知り、興味をもったユーザー(見込み顧客)に 商品やサービスの価値を高める情報を提供。
より優良な顧客へと育てるために、 定期的に情報を提供し顧客との関係を強化していく。
顧客との信頼関係が構築され、自社のファンになる。リピーターになる。
ユーザーの共感や信頼を得て、市場での企業価値が高まる(ブランディング)。
結果的に企業の利益向上につながる。【最終目的の達成】
オウンドメディアでは、「ユーザー目線の良質なコンテンツを継続的に提供」していくことで、このように最終目的である企業の利益向上へとつなげることができます。
オウンドメディアの事例
オウンドメディアを上手く活用し、企業の利益向上へとつなげている、代表的なオウンドメディアの事例をご紹介します。
サイボウズ式
サイボウズ株式会社が運営する、オウンドメディアの成功事例としても有名なのが「サイボウズ式」です。
2012年に「新しい価値を生み出すチーム」のための「コラボレーションとIT情報サイト」として誕生。
会社や組織、働き方や生き方、家族と仕事などをテーマに、コラム記事などを中心に発信しています。
ユーザーが共感できる内容の記事、有益な情報を発信し続け、読者との信頼関係を構築し「ブランディングの構築・ 採用強化」などの成果を得ています。
北欧、暮らしの道具店
株式会社クラシコムが運営する、北欧を中心としたインテリア雑貨や食器・オリジナル商品を販売するECサイト(ネット上で商品を販売するWEBサイト )です。
ECサイト自体をオウンドメディア化。「フィットする暮らし、つくろう。」をビジョンに掲げ、新しい商品情報やお役立ち情報、ミニコラムなど、暮らしにまつわる豊富なコンテンツを発信しています。
ユーザーとの関係構築を重視し、長期的にユーザーに有益な情報を提供することで、最終的に商品の購入へとつなげています。
3.オウンドメディアのメリット・デメリット
オウンドメディアを上手く活用することができれば、企業にとって大きなメリットが得られます。しかし、一方でデメリットも存在します。
オウンドメディアのメリットとデメリットを、詳しく見てみましょう。
オウンドメディアのメリット
- 広告費がかからない
- 発信する情報をすべて管理できる
- コンテンツが企業の資産になる
- ブランディングの構築が可能
広告費がかからない
ペイドメディア(有料の広告を掲載)では、自社のサービスや商品をまだ認知していない潜在顧客を獲得できる可能性はありますが、広告の掲載に継続的に費用が発生します。
しかし、オウンドメディアでは管理費や人件費などにコストはかかるものの、広告費は一切かからないため、コストの削減につながります。
発信する情報をすべて管理できる
オウンドメディアでは、発信する情報、コンテンツの内容やサイトの設計など、すべて自由に管理することができます。
ペイドメディアやアーンドメディアのように、枠に捉われることなく、ユーザーに伝えたい情報を確実に伝えることができます。
自社オリジナルの価値を提供し、幅広い潜在層へアプローチすることも可能。また、競合他社サイトとの差別化を図ることもできます。
コンテンツが企業の資産になる
オウンドメディアで作成したコンテンツは、作成すればするほど蓄積されていきます。
ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作成し、長期的に発信し続けることで、サイトへの集客やユーザーとの信頼関係を構築することが可能。
最終的に企業の利益向上へとつながり、コンテンツ自体が企業の資産となります。
ブランディングの構築が可能
オウンドメディアの大きなメリットは、長期的にユーザーとの信頼関係を築くことができること。
ユーザーにとって有益な情報を常に発信していれば、ユーザーは自社のファンになってくれます。
ファンになってくれれば、商品の購入やサービスの利用を繰り返し行ってくれることはもちろん、SNSなどで情報を拡散してくれることもあります。
多くのユーザーに、
- 役立つ情報を得ることができる良いサイト
- 信頼できるサイト(企業)
- 良い商品の購入・良いサービスが利用できる企業
というように、良い印象として認知されていきます。
結果的にサイトのブランディングの構築が可能になり、大幅な企業の利益向上へとつなげることができるのです。
オウンドメディアのデメリット
- 即効性がない
- 良質なコンテンツが必要
即効性がない
オウンドメディアは、そもそも長期的に見込み顧客との関係を構築することを目的としています。
そのため、企業の利益向上やブランディングなどの効果を得るまでには、それなりの時間を要するため即効性はありません。
コンテンツの質や量、検索結果での上位表示、アーンドメディア・ペイドメディアなどを上手く活用するなど、サイトへ集客するための施策なども必要になってきます。
あくまでオウンドメディアの運営は、長期的なマーケティング手法であることを理解しておく必要があります。
良質なコンテンツが必要
オウンドメディアでの目的を達成するためには、継続的な質の高いコンテンツ作りが必要不可欠です。
継続的・定期的に良質なコンテンツを発信し、サイトを運営していくことは簡単なことではありません。
アクセス数を増やすためには、サイトを検索結果で上位表示させることも必要。 良質なコンテンツでなければ、上位表示させることはできません。
- 見込み顧客となるユーザー層に適したコンテンツ
- 良質なコンテンツを制作する人材
- より多くのユーザーをサイトに集客するためのSEO対策
- 継続的なサイトの運営と管理
などが重要になってきます。
4.オウンドメディアの作り方
オウンドメディアを始めるにあたっては、どのような準備・手順が必要なのでしょうか?オウンドメディアの作り方について、かんたんにご紹介します。
オウンドメディア運用の目的を明確にする
まずはオウンドメディアを作る目的と、ターゲットとなるユーザー層を明確にすることが大切です。
目的やターゲットを明確にしないと、「どのようなサイトを構築すればいいのか」「 どんな情報を提供すればいいのか 」サイトの方向性が定まらず、成果を得ることもできません。
- 何を目的として(認知度を上げるため・商品の購入、サービスの利用など)
- 誰に向けて(ターゲットとなるユーザー層【 ※ペルソナの設定】)
- どのような価値を提供するか(発信するコンテンツの内容)
を明確にすることで、そのために必要なことも見えてきます。
また、他社サイトとの差別化を図るために、 競合サイトをしっかり調査しておくことも大切です。
※ペルソナについてはコチラの記事を参考に!
オウンドメディアの構築
オウンドメディアの構築は、自社で運営を行うのか、外部に依頼するかによって変わってきます。
自社で運営する場合、コストを最低限に抑えることができますが、運営していくためのノウハウが必要になってきます。
構築も運営も外部に依頼するとなると、かなりの費用が必要になってくるため、初期構築だけを外部に依頼して、運営は自社で運営するという企業もあるようです。
オウンドメディアの構築には
- サーバーの選定 (クラウド型サーバー、レンタルサーバーなど)
- ドメインの取得 (ネット上の住所 .com、co.jp、.netなど)
などの準備が必要になってきます。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)を導入すれば、すぐにサイトを立ち上げることも可能です。
WordPress(ワードプレス)のような、オープンソース(無料で利用できるソフトウェア)を利用すれば、月々のドメイン代とサーバー代のみでサイトを運営することができます。
サイトのデザインや機能も豊富なため、多くのサイト運営者が活用しています。ちなみに、当サイトもWordpressを活用しています。
コンテンツ(記事)制作
サイトを立ち上げることができれば、コンテンツ(記事)の制作を開始します。
オウンドメディアの目的達成のためには、良質なコンテンツが必要不可欠です。
- 競合サイトのリサーチ
- 市場調査
- ユーザー調査
- ペルソナ設定
- キーワード選定
- SEO対策
などをしっかりと行うことが大切。記事を制作する人材の確保なども必要になってきます。
また、記事を制作して終わりではなく、制作した記事の「分析・改善」を繰り返しながら、サイトを運営していくことが重要です。
今回は「オウンドメディアとは?」と題して、言葉の意味や目的、オウンドメディアの作り方など幅広くご紹介してきました。
オウンドメディアには、ユーザーにとって有益なコンテンツが欠かせません。
オウンドメディアの記事を作成する際は、そのサイトの目的と誰にどのような価値を提供するのかを、しっかりと理解した上で執筆することが大切です。
質の高い記事を執筆できるようになれば、あらゆるメディアから仕事の依頼も増え、WEBライターとしての価値も高まっていくでしょう。
質の高い記事を作成するライティング力を身に付け、価値の高いWEBライターを目指したいものですね。
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